「16.日本の話しことば」終了+「あげる」について

2009年7月4日土曜日 0:34

【NAFL日本語教師養成プログラム】進行中。数字は提出済み。
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「うちの子におもちゃを買ってあげたい」
 ~「あげる」は謙譲語であるか「美化語」と認められるか?

「(買って)やる」ではぞんざいだと感じて,美化語のつもりで謙譲語「あげる」を使ったもの。
つまり誤用。
しかし今,「あげる」は謙譲語であるか美化語と認められるか,ゆれている。

何年か前の国語調査で,上掲の文に違和感がないと答えた率はこのとおり。
  全国 35.8%  関東 47.2%
  男性 29.3%  女性 41.4%  
  10代女性 71.4%
この流れはすでに決定的だろう。
実際,私の知る20代30代のお母さん方については,100%近いのではないかと感じていたところだった。
どんなに誤用から始まったものであっても,大多数の人が変だと思わなくなった時点で,誤用ではなくなる。
それが「ことば」というもの。

…と書いたところで,どうしようもない嫌悪感と無力感におそわれる。
私には,どうしてもこの「あげる」の用法を受け入れることができないのだ。
だいたい,我が子への行為を表す時,謙譲語であれ美化語であれ敬語表現が必要なのか???
NOだ(と私は思う)。
もちろん,子ども本人や家族内での会話でならOK。
よその人に向かって身内を敬語表現で待遇することが,NOなのだ。
おそらく,そういった感覚が薄れるとともに,美化表現を好む意識の方が強くなったことにより,この誤用が一般化したものと思われる。

私が「あげる」の誤用を耳にするようになったのは,20年位前からだ。
当時はまだ「誤用」の意識の方が優勢で,まれに敬語にうるさい方からお叱りの声も聞こえていた。
今ではもう,そんな声を聞くこともない。
それもそのはず,テレビ・ラジオのアナウンサーまでもが(しばしば)「(買って)あげる」なのだから。

もしかして,「あげる」はすでに美化語として非公式にオーソライズされているのか?
ということは,今でも「やる」にこだわる私の言葉遣いは,ぞんざいで下品に聞こえるのか?
私が生きている間に,この正誤が逆転する日が来てしまうのだろうか?

2 Comments

  1. 酔いどれオヤジ

    今日、お稽古の帰りに LOFT に寄って例のスタンドを購入してきました、まさに伊右衛門の豆巾着と同じように iPhone の為に作られてのではないかと思うくらいぴったりでした、ありがとうございました。

    自力では探せなくて、お店の方に聴いてやっと見つけました、良くこんなのを探したなってビックリ。

    足を伸ばして寄った、セイデンがヤマダ電機のフランチャイズになってました、昔の星電社を知る者としては、ちょっと寂しい気持ちになってしまいました。

     
  2. saco

    あのピッタリ感は驚きですよね。共感してくださる方ができてうれしいです(*^_^*)

    売り場については,もっと詳しくお知らせしておけばよかったですね。すみませんでした。

    電気店も生き残りをかけて大変ですね。あそこのお店も最近ではお客さんが少なくて,大丈夫かなぁと思っていたところでした。

     
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