つくる会教科書~横浜の親はどうする?

2009年8月23日日曜日 15:07

かつて横浜市民だったこともあり,なおさら他人事だとは思えない。
自分の子の学校で「つくる会」の教科書が使われる,なんてことになったら,私なら絶対に黙っていられない。
4年前,つくる会の教科書を杉並区の学校が採用することが決まった時には,もっと大きなニュースになったのではなかったか。今回は選挙と重なり時期が悪かったか。

2009年8月23日(日)朝日新聞社説より全文(太字筆者)

つくる会教科書 横浜市の採択への懸念

 横浜市の市立中学校の約半数で来年春から新たに、「新しい歴史教科書をつくる会」主導で編集された歴史教科書を使うことが決まった。
 4年前の採択時期には、つくる会の歴史教科書の採択率は全国で0.4%にとどまった。今回は東京都杉並区、栃木県大田原市などが継続して使うことを決めているが、指定市では横浜が初めてだ。使用する学校の在籍生徒数も約3万9千人と最も多い。
 横浜市で採択されたのは、従来の扶桑社ではなく自由社から出されたものだ。内容の大部分はこれまでの説を踏襲し、今春検定に合格した。
 教科書検定は控えめにすべきだし、教科書は多様である方がいい。しかしそれでも、つくる会の教科書は、歴史の光と影、自分の国と他の国との扱いにバランスを欠き、教室で使うにはふさわしくないと考えざるを得ない。
 自由社版でもそれは同じだ。天皇や神話を重視し、近現代史を日本に都合よく見ようとする歴史観が色濃く、中国への侵略、朝鮮半島の植民地支配については不十分なままだ。沖縄戦の集団自決にも触れていない。
 気になるのは、横浜市教委の採択経緯が教育の現場の声を十分反映したものかどうか、疑念が残ることだ。
 市教委の付属機関で教員や保護者、学識者でつくる教科書取扱審議会が、自由社版を含む7社の候補を選定。18区それぞれの学力状況などに応じ、区ごとにも幾つかのふさわしい教科書を挙げて市教委に答申した。
 答申は自出社版を「他民族の生活や文化の扱いがやや弱く、生徒の多様な見方や考え方を育てるにはやや適さない」とも評した。どの区でも自由社版の評価はさほど高くはなかった
 ところが市教委では、各区で現在使用中の教科書と自由社版の二つを比較する形で委員が意見を述べた。その後、委員6人が無記名で投票し、八つの区で現行のものから自由社版に切り替わることになった。
 市教委の今田忠彦委員長は、4年前の採択時、市教委でただ一人、扶桑社版を採用すべきだと主張した委員だった。今回の採択には、市教委トップとなった今田氏の意向が強く反映されたのだろう。
 教科書の採択権限は教育委員会にあるが、実際に使うのは教師と生徒だ。現場の声を反映した審議会の答申が、どこかで自由社か否かの二者択一のようになってしまった。
 今田氏は自出社版を「愛国心」条項などが盛り込まれた改正教育基本法の側目に合っている、と評価する。しかしこの法律は同時に、他国を尊重する態度を養うことも求めている。こちらは満たしているだろうか。
 30日投票の横浜市長選に立候補している各候補者の意見も聞いてみたい。
私は,日の丸も君が代も愛国心も,実はすべて肯定的にとらえている方だ。
悪用された歴史は踏まえた上で,現実的に理解し,愛国心も本来の意味で大切にするべきだと思う。
私が「つくる会」に我慢ならないのは,自国の犯した過ちを正面から受け止めることを自虐的だの自虐史観だのと呼び,だから愛国心が育たない,なんてことを言ってるところ。
違うでしょー!!!

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